採集方法
みんなの人気者、カブトムシとクワガタムシ。毎年夏休みになると昆虫採集する人が増えます。でも、カブトムシとクワガタムシって、どこで採れるのでしょうか?蝶とかトンボはよく見るのに、カブトムシやクワガタムシが自然の中で生きているのを見たことがない人のために説明します。

なお、東京多摩地区での樹液採集および東北遠征での灯火採集経験に基づいています。
果物トラップ採集については筆者は経験がないのと、冬の材割採集については環境に与える影響が大きいため割愛させていただきました。

このマニュアルどおりに実践して採集できなかった場合、当方では一切の責任を負わないものとします。


採集時期
5月中旬から10月中旬まで。ただし、9月以降はスズメバチが多くなるので気をつけましょう。
カブトムシは6月中旬から出始め、7月下旬から8月旧盆前までピークになります。この頃になると他の虫を追い払って樹液を占拠している姿が見られます。
クワガタムシを探す場合はカブトムシが少ない時期を狙いましょう。6月下旬から7月中旬の夏休み前が最も多く見られ、8月中旬の旧盆明けからはコクワガタ中心に多く見られます。

準備するもの・採集時の服装
  1. 懐中電灯
  2. 虫捕り網
  3. プラケースまたはルアーケース(虫かごは爪が引っかかるのでダメ)
  4. ピンセット (樹洞に隠れているクワガタを探すのに必要。なければ落ちている小枝でもよい)
  5. デジカメ(できれば。捕まえる前に写真を撮るのもよい)
  6. 長そでシャツ、長ズボン。半そで、半ズボン、スカートは蚊に刺されやすいのでさけよう。靴はスニーカーまたは長靴を履くこと。サンダルはダメ。
【保護者の方へ】
夜の雑木林の中は真っ暗になるので、懐中電灯は必要です。できれば6V以上の強力なものがいいです。また、いきなり照らさず、目的のポイントに着くまで足元を照らすようにしてください。
採集時は肌を出さないことがポイントになりますので、採集へ行く前に着替えることを徹底してください。汗をかくので、タオルを持っていくことをお勧めします。


樹液採集
カブトムシやクワガタムシは基本的に夜行性なので、昼のうちにチョウやカナブンなどが集まっている木を探し、夜に見回ります。
昼の下見時、スズメバチに刺されないよう、気をつけてください。夕方のうちに木に糖蜜を塗っておくのもいいでしょう。
夜に子供だけで行くのは危ないので、おうちの人と一緒に行きましょう。 見つけやすいのは20〜22時頃と明け方3〜5時頃です。

【保護者の方へ】
夜に子供だけで採集に行くのは複数人でも危険なので、必ず付き添ってください。夏の夜明けは5時頃ですが、暗いうちに子供だけで採集に行かせることがないよう、注意してください。明るくなる5時以降も6時頃まで採集可能です。
昼の下見時は友達同士を誘い合う等、複数人での行動が望ましいですが、何時頃に帰ってくるのか、子供が親に告げておくだけでなく、携帯電話を持たせる等の連絡手段を確保してください。
糖蜜は水と黒砂糖を鍋で煮て、焼酎と酢を少し入れて作ります。小さな鍋で作ることができますが、火とお酒を使いますので、子供だけで作ることがないように注意してください。


クヌギ コナラ ヤナギ
クヌギ

コナラ

ヤナギ

 
ミズナラ  
ミズナラ  

カブトムシやクワガムシは主にクヌギやコナラの木に来ます。これらの木は樹液をよく出し、秋にはドングリがなります。川原や高い山ではヤナギの木にも来ますので、チェックしてみましょう。
東北地方北部や北海道ではクヌギが自生していないので、ミズナラの木を探します。


灯火採集
カブトムシやクワガタムシをはじめ、夜行性の昆虫は明かりに集まる習性があります。この習性を利用して採集するのが灯火採集です。山奥で樹液が出ている木を探すのは難しいので、夜に明かりに来たものを探す方が効率がいいです。
外灯、自動販売機、公衆便所等、ありとあらゆる明かりを見回るだけで採集は簡単ですが、以下の点に注意してください。

  1. 車に注意すること。お父さん、お母さんの目の届く範囲内で探そう。
  2. オレンジ色やLEDの光には集まらない。
  3. 外灯の下だけでなく、まわりの木や落ち葉、溝等、光が届かないところも探す。
  4. まわりに大きな明かりがなく、ひらけて近くに山や林があるところを探す。
  5. 満月の頃は月に向かって虫が飛んでいくので、あまり集まらないよ。新聞等で月齢を確認し、下弦〜新月〜上弦ぐらいまでを狙おう。
  6. 雨の日や涼しい日は虫が飛ばないのでダメ(最低でも気温は18度以上)。

ライトトラップ ミヤマクワガタ 採集成果
▲乾電池式のブラックライトによる簡単なトラップ。仕掛けるところと気温などの条件によっては、かなりの成果を上げることができる。本格的なライトトラップは高いので、できるだけ安くできるように工夫しよう。

燃料式ランタン バッテリーライト 灯火採集

燃料式のランタン(左)もライトトラップとして利用することができる。ただし、火を使うので、お父さん、お母さんに点けて貰おう。
バッテリー式(上)は使う電力によってもつ時間が大きく変わってくるよ。


近年は外灯がLEDになって虫が飛んで来ないところが増えてきたので、自分でライトトラップを仕掛けましょう。仕掛けるところによっては、一晩でミヤマクワガタ100匹も夢じゃないばかりか、東北地方ではオオクワガタが飛んでくるかも知れません。

【保護者の方へ】
ライトトラップは特に山間部で威力を発揮します。オオクワガタは関東以西では滅多に灯火に飛来しませんが、東北地方では飛来することが多いです。
採集地によって採集できる種類が変わりますので、夏休みに家族で遠出する場合、採集したい種類に合わせて行先を選定してください。



オオクワガタの探し方
カブトムシより人気があるオオクワガタ。全国的に数が少なく、臆病な性格で滅多に人前に姿を現さないので、熟練者でも見つけるのが難しいクワガタムシです。
1980年代後半〜1990年代前半は「黒いダイヤ」とも呼ばれ、数万〜数十万円の価格で販売されていたことがありました。
現在は養殖技術の確立により、養殖個体が年中ショップに出回り、安価で入手できるようになりましたが、それでも採集しようとする人は多いです。

どこで採れるの?
青森・秋田県、福島県、山梨県、大阪府、福岡・佐賀県。 五大産地と言われているけど、採集は難しいよ!

樹液採集
関東地方より西では他のクワガムシと同じように探すけど、家にこだわる虫なので、少し異なるよ。
太くて洞穴がある木を昼のうちに探しておいて夜に見回るけど、いきなり懐中電灯を照らさず、静かに歩く、おしゃべりはしない等の注意が必要だよ。他の虫がいると滅多に洞から出てこないので、時期や時間を選ぶ必要がある。

灯火採集
東北・北海道地方では山奥にいることが多いので、ライトトラップを仕掛けたり、外灯等を見回ろう。
コクワガタが飛来すれば、オオクワガタが来る可能性が高いよ。ただし、東北地方は年によっては梅雨が明けないことがあるので、気をつけよう。

オオクワガタ♂ オオクワガタ♀
▲♂は大型になると内歯が前向きになってかっこいいよ。なわばりを守るのに忙しいためか、滅多に飛ばないよ。
▲♀は光るように光沢があり、前翅には点でできたスジがあるのが特徴だよ。東北地方で明かりに飛んでくるのは♀が多いよ。

オオクワガタ♀ オオクワガタ♀
▲クヌギの木に来た♀(左)と採集後(右)。関東地方以西は樹液採集が中心となるが、写真の個体は東京都内で採集されたもので、残念ながら放虫個体の可能性が高い。

オオクワガタ♀ ライトトラップに飛んできた♀。後ろ翅がまだ出ている姿は、なかなか見ることは難しい。写真は福島県で22時頃に来たもの。

【保護者の方へ】
オオクワガタ五大産地は青森・秋田県十和田湖周辺、福島県桧枝岐村周辺、山梨県韮崎市周辺、大阪府能勢周辺、福岡・佐賀県筑後川流域です。
関東地方以西は平野部中心ですが、東北・北海道地方ではミヤマクワガタやアカアシクワガタが生息する山奥ですので、首都圏から採集に行く場合、確実に1泊以上の宿泊が生じます。採集地の選定は慎重にしたうえで、家族旅行に行く感覚で観光を楽しむのもよいでしょう。
北海道の場合は渡島福島〜函館周辺で見つかっていますが、ヒグマ(エゾヒグマ)が出るので危険を伴います。


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