カブトムシ長生きのコツ

今日は朝から雨が降り、午後には降り方が激しくなったりもしました。

昨日の夜間観察でまだ発生していないことが分かった以上、先週に飛び込んできたカブトムシは温室養殖個体の可能性が一段と高まりました。

 


※写真は再掲です。

小学生の頃は概ね5月頃にペットショップで終齢幼虫を買って育てたことがありました。夏休みに入るころに羽化し、2学期が始まる頃に死ぬまで4か月ぐらい飼育していました。

今では2012年採集個体が12月上旬まで生きていた記録を皮切りに、平均して10~11月まで生きることさえ珍しくありません。

野外では遅くても9月の秋分までには見られなくなるのに何故?と思う人も多いかも知れません。

まず、野外では秋になり気温が下がると樹液が出なくなります。そのため、成虫の餌がなくなり、一番の死因は飢え死にです。飼育下では十分な餌があれば長生きします。

もう一つは、子供の頃と違い、単独飼育を基本としています。野外採集した♀は殆どが持ち腹=交尾済で、♂を同居させなくても産卵してくれます。しかし、発生初期に採集した場合、♀が♂より先に発生すると未交尾の可能性もあります。

また、カブトムシの♀は精子ストックができず、精子切れすることもあります。採集してすぐと精子切れした時のみ1週間程度同居させる以外は、個別飼育にしています。

一般に♂と♀は喧嘩しないため、ペアで同居させる人も多く、自分が子供の頃もそうでした。しかし、ずっと雌雄同居はよくないことが後年になってわかり、個別飼育を基本とした結果、平均して10月10日前後まで生きることが多くなりました。

♂と♀は喧嘩しないと思われがちですが、♂は交尾したがるため、産卵の邪魔になりますし、交尾拒否された♂が苛立って♀を攻撃することもあるそうです。特にミヤマクワガタでは顕著です。また、何度も何度も交尾すると雌雄共、体力を消耗します。

複数個体を同居飼育すると餌を巡って喧嘩するうえ、狭い飼育容器内では負けた個体の逃げ場が限られるため、殺し合いにエスカレートします。このため、夏休みが終わるころにはバタバタ死んでいったのです。

秋になって気温が下がっても加温せずに常温で飼育しても大丈夫です。カブトムシは夏の昆虫ですが、実は暑さに弱く寒さに強いのです。夜活動するのそのためです。

秋が深まり気温が下がると、活動は鈍くなりますが、暖かい日中には餌を食べます。餌は高タンパクものを与えることで、寿命が延びます。

長生きさせるには、個別飼育を基本とし、餌は高タンパクのものを与えるの2つです。

今シーズン物は何月まで生きるでしょうか?