さようなら稲城フィールド

今日で9月も終わり、明日から10月です。10月は「神無月」とも呼ばれ、神々が出雲に集まって翌年についての会議をするので、出雲以外に神が留守になるともいわれています。

今シーズン限りで稲城フィールドから撤退すると決めており、稲城まで行くのは月一度あるかないかのペースに激減しており、9月最終日でキリがいいとのことで行くことにしました。

 

コクワガタ♂ コクワガタ♂
9月も終わりとなると、コクワガタさえも少なくなりました。インセクトフェアで買った赤LEDライトの試しも兼ねており、やっと実験台を見つけました。

赤LEDライトをつけて近づいてみました。するとどうでしょう。驚きもせず、落ちたりもしません。赤は昆虫が認識しにくい色であることが証明されました。

地面に落ちて落ち葉の下に隠れようとした個体もいますが、すでに時遅しでした。

 

コクワガタ♂
もう一度上の方を見ると、向きを変えていました。シルバーウィークも彼岸も終わって気温が下がり、動きは相変わらず鈍いですが、赤い光に驚くことがせず、ゆっくりと観察できました。

コクワガタに始まり、コクワガタに終わる…結局は稲城フィールド撤退前のトリを務めたことになります。

観察終了後は高校入学時から30数年の感謝の気持ちを込めて一礼し、帰路につきました。もう、稲城フィールドで夜間樹液観察も採集することはありません。

これにて稲城フィールドからは正式に撤退しましたが、ライトトラップ等で先生のお手伝いをすることもあるので、完全撤退にはなりません。

さようなら稲城フィールド。来シーズンからは30数年の経験を現フィールドにて活かすことになります。

2日目の成果は…

今日は通常の出社日でした。明日も仕事の都合で出社です。

順序が異なりますが、田沢湖から宿へ戻った際、16時ぐらいにはロケハンに出ていました。

 

秋田駒ケ岳 田沢湖
日帰り温泉施設のバックには秋田駒ケ岳がそびえています。時間的に山に日が当たる順光なので、これは貴重なチャンスだ!と思わんばかりに撮影しました。初日の到着時は雲が広がっていて条件がよくなかったためで、独立峰はなかなか全貌を現わさないことも多いです。富士山もそうですが…。

田沢湖側を振り向くと、ススキが花穂をつけて風に束びいており、秋の訪れを告げていました。

 

アカアシクワガタ♀
夕食後に外灯巡りと灯火トラップを併用しましたが、温度計を見ると気温が15度前後に下がっていました。灯火トラップにも蛾さえ飛んできていません。季節の変わり目でしょうか気温が低すぎです…。

21時近くまで粘りましたが、灯火トラップへの飛来はゼロで惨敗でした。この後は片付けて撤収、ホテルに戻りました。

2日目の夜はアカアシクワガタの♀が1頭採れただけで、2日間のトータルで1♂2♀です。今夏は天気がおかしかったのか、季節の変わり目で時期が遅すぎたのかどちらかでしょうか。

この後は温泉に入って疲れを癒しました。

きりたんぽ鍋

明日は通常の出社日です。テレワーク業務終了後もバタバタ忙しくて落ち着く暇がありませんでした…。

 

和シングル

バスで30分かかって宿に戻りました。今回宿泊したホテルはかなり広く、様々なタイプの部屋が用意されてシングルユースからファミリー層まで様々な客層ニーズに応えています。

今回宿泊したのは和シングルで、このタイプの部屋は25年ぶりだった気がします。1997年8月、岩手県遠野で泊った和風ビジネスホテルのシングルルームが和シングルだった様です。翌年には改装工事で多くの部屋がシングル、ツインの洋室に変わりました。和室にベッドとソファがある以外は洋室タイプと変わらない配置ですが、畳の上で横になれるのが大違いでしょう。

 

食堂 きりたんぽ鍋
灯火トラップを仕掛ける関係で夕食時間は18時からに予約しました。日没前に灯火トラップを仕掛け、夕食です。

バイキングなので、紹介する秋田名産はきりたんぽ鍋です。鍋セットも用意されており、チャッカマンで固形燃料に点火、鍋が煮詰まるのを町だけです。

その間に他の料理は食べましたよ…。まだ8月で時期的に鍋は早いと思われますが、すでに月末近く、しかも高原。夜は冷え込むので鍋は有難いです。

夕食後、いよいよ採集に向かうことにしました。

 

 

田沢湖湖畔

今日は秋田で採集したアカアシクワガタやインセクトフェアでの生体を中心にケース等整理しました。時期的に産卵させるのは難しいですが、来春に備えて体力を温存して貰いたいです。

 

田沢湖 田沢湖
午前中は晴れていたのですが、午後には雲が広がってきました。遊覧船乗り場もありますが、バスの時間も迫ってきているので、パスしました。遊覧船が向いている方向には辰子像があるのです。

25年前に連れて貰った時は、辰子像から角館方に出て伯父さん家に戻りました。

 

ミヤマクワガタ
ミヤマクワガタの頭部パーツを見つけ、拾いました。カラスにでも食われた残りでしょうか。大顎の形からして蝦夷型でしょうか。新潟遠征時、天候不順の影響か普通種さえも採れていません。今季は2015年以来、7年ぶりにミヤマクワガタを採集できていない年になりそうです。

湖周辺にもいることは確定なのですが、自然公園に指定され、特別保護地区もあるため、あまり表立っての採集はできません。高原温泉郷にしたのは、自然公園外だからです。

バスの時間が迫っているので、バス停に戻って待ちました。

稲庭そば

シルバーウィーク明けは好天に恵まれました。10月になってもしばらく残暑が続くそうで、夜間樹液観察シーズンはまだ終われそうにないです。例年だと夜間樹液観察観察シーズンは概ね10月上旬までです。夜9時時点の気温が18度を切った時点で終了の判断を出すことにしています。

温暖化の影響でしょうか、シルバーウィークが終わっても夜間樹液観察シーズンが延びている感じがします。

 

稲庭そば
自転車を借りた田沢湖共栄パレス内に併設されている「レストラン しろすな」にて遅めの昼食をとることにしました。秋田名物といえば、稲庭うどん、そばは外せません。2014年の秋以来、8年ぶりですから秋田名物を味わないと勿体ないです。

食券による前払い制です。注文したのは「稲庭そば」です。季節柄、ざるそばにしました。

きゅうりのつけもの、薬味のセットです。うどんでもよかったのですが、蕎麦の方が食物繊維が多いのでこちらを選択しました。

食後はバスまでの時間が余っているので秋田犬展示場で秋田犬を見学し、湖畔にも出ました。

熊出没注意

シルバーウィーク最終日は好天に恵まれました。午前中はLUMBERJACKレンタルBOX虫メンテに行き、菌床詰めをしました。来週にはいよいよ幼虫投入です。

 

う回路 田沢湖
田沢湖クニマス未来館からはう回路です。田沢湖サイクリングコースは湖を一周していますが、途中で迂回路があります。これは急坂になるところがあり、自転車では電動でないときついので、これを避けるために自転車用の迂回路があるのです。

ほとんど平坦なのですが、熊出没注意の看板もありました。こんなところで熊に出会ったら冗談じゃないです。一般に熊はうるさいのが苦手なのでクマよけの鈴を携帯するか、ラジオのボリュームを最大にして流すのがいいでしょう。もっとも、北海道等のヒグマには通用しないみたいです。

田沢湖レストハウスに着いた時には13時近くになっており、少し時間が早いですが自転車を返却しました。

まだ昼食を食べていなかったので、どこで食べようか?何を食べようかとしばらく思案しました。

辰子像

今日は第9回グリーンボランティア講座でした。残るは来月の修了式であと1回を残すのみです。

 

辰子像 辰子像
クニマス未来館を出た後は再び自転車を西へ漕ぎ、辰子像に到着しました。秋田の伯父さんに連れて貰ったところなので、1997年3月以来ほぼ25年半ぶりの再訪です。

 

ウグイ ウグイウグイ
水面ではウグイが泳いでいました。水が透き通って綺麗な反面、透明度が高い=貧栄養湖であることを物語っています。餌となるプランクトンが少なく、かつて生息していたクニマスが独自の進化をしたのも頷けます。

餌も売っていて、魚に餌をあげている観光客もいました。

 

辰子像
辰子像を引き気味に撮ってみました。かつては石伝いに像の傍まで行けたそうですが、玉川毒水の影響なのか石が小さくなっている気がします。「釣りキチ三平平成版」では三平が像の傍で釣りをしていましたが、その時には石伝いに行ってました。

 

ウグイ ウグイ
ウグイの大軍が沖へ向かって泳いでいます。中和施設の稼働で現在はpH5.2までに回復していますが、残念ながらクニマスは戻れず、現在は酸性に強いコイやウグイがいる程度です。

すでに時刻は昼を回り、返却時間もあるので自転車で来た道を戻りました。

インセクトフェア

今日は虫屋の同窓会ことインセクトフェアがあり、午後には大手町の会場へ行きました。

 

大手町駅 大手町駅
小田急線と千代田線を乗り継ぎ、1時間以上で大手町駅に到着しました。半蔵門線乗り場を目印に右折します。

 

大手町駅 大手町駅 大手町駅
半蔵門線の乗り場に沿って歩くと会談に行き当たります。階段を上がり、突き当りを左へ曲がると…

サンケイビル 出口
サンケイビルです。地上への出口があり、階段を上ると…

 

サンケイビル
着きました!昨年11月23日以来10カ月ぶりです。会場は撮影禁止なので写真はありません。

 

コクワガタ
今年の戦利品は福島県産コクワガタの1♂2♀トリオです。野外採集品で、今年は福島へ行かなかったのと、違う血統が欲しいため情報料の名目として買いました。しかも定宿のあるエリアです。

 

オオクワガタ オオクワガタ
もう一つは山梨県産WF2ペアです。山梨県産の飼育は数年ぶりで、できるだけ形のいいものを厳選しました。時期的にも交尾産卵は来春からです。

 

ライト ライト
赤色LEDライトです。夜の樹液採集でライトを照らすとクワガタが驚いて落ちることが多かったので、今年のインセクトフェア最大の戦利品ともいえるでしょう。

赤色は昆虫類が認識しにくい色として有名で、もうシーズン終盤ですが楽しみです。本格的な仕様は来春からとなるでしょう。

田沢湖クニマス未来館

明日は”虫屋の同窓会”ことインセクトフェアーです。今年は2019年以来、3年ぶりに秋分の日開催です(2043年まではうるう年が9月22日)。

 

田沢湖クニマス未来館
自転車を25分ぐらい漕ぎ、田沢湖クニマス未来館に到着しました。ここに山梨県から貸与されたクニマスが展示されています。入館料は大人300円ですが、仙北市民および身体障害者は無料です。

 

クニマス クニマス
遂に…生きているクニマスとご対面です。昔は田沢湖に生息していましたが、国策で玉川毒水を引き込んだために湖が酸性化し、絶滅してしまいました。それから70年後の2010年に山梨県の西湖で再発見されたのです。

クニマスは深湖魚で、湖の深いところに棲んでいたため、魚を驚かさせないよう、フラッシュ撮影が禁止されています。もちろん、撮影時にフラッシュは焚いていません。

 

ヒメマス クニマス
比較用にヒメマスも展示されていました。クニマスとヒメマスはよく似ています。左写真がヒメマス、右写真がクニマスです。

クニマスは体が黒くて斑点がありません。決定的な違いは鰓耙(さいは)数と幽門垂数の違いです。鰓耙(さいは)数がヒメマスの27~40に対し、クニマスが31~43と若干多く、幽門垂数はヒメマスの67~94に対してクニマスが46~59とかなり少ないことです。

田沢湖が魚の棲む環境としては決してよくない貧栄養湖であり、餌に不自由していたことによります。

 

展示スペース
かつて漁に使われていた舟も展示されていました。玉川毒水を引き込む前は漁師が漁をしていて住民の生活を支えていました。ヒメマスと区別して撮って食べていたので、住民たちの実体験は貴重ともいえるでしょう。

絶滅した筈の幻の魚に出会えるとは思ってもいなかったことでしょう。

見学を終えた後は少しグッズを買い、辰子像へ向けて自転車を走らせました。

高原の朝

朝食後は腹ごなしを兼ねて日帰り温泉施設まで散歩に行ってきました。

 

田沢湖 田沢湖
遠くに田沢湖も見えます。朝のうちだと、綺麗に見えるものですね。高原温泉郷から西側に位置していますし、順光になるなら午前中と読んでいました。

夕方となれば夕焼けも見れそうです。今夏の東北地方は雨が多く、晴れ間が貴重になるとは思ってもいなかったことでしょう。

しばらく滞在し、他に灯火採集できそうな場所がないか、見た後はホテルへ戻りました。

10時前にはホテルを出て田沢湖駅行きのバスに乗りました。約30分で田沢湖湖畔に到着。25年ぶりに田沢湖訪問となります。

 

田沢湖
田沢湖に来たのですから、クニマスは見ておきたいです。地図で見てみると…結構遠いではありませんか!田沢湖を一周するバスもありますが、本数も時間も限られています。

そこでレンタサイクルを利用することにしました。田沢湖は一周で20km。辰子像まではほぼ半周することになります。手続きを済ませ、料金を払ってレンタサイクルを借り、いざ出発!

25年前に伯父さんに連れて貰った時も辰子像までほぼ同じコースなので、トレースすることになるとは思ってもいませんでした。